体の感覚を感じるだけ。たった1分で心を整えるマインドフルネス
忙しい時ほど、自分の体を感じてみる
日々時間に追われ、やるべきことに心を奪われていると、知らず知らずのうちに体に力が入っていたり、緊張していたりすることに気づきにくいものです。肩が凝っている、お腹が張っている、足がむくんでいる。そういった体のサインを見過ごしてしまうことも少なくありません。
体の感覚は、今の自分の状態を知る大切な手がかりです。そして、その体の感覚に意識を向けるマインドフルネスは、頭の中で思考がぐるぐるしている状態から注意をそらし、「今、ここ」にある自分の体と心に意識を戻す手助けをしてくれます。
特別な場所や道具は必要ありません。たった1分あれば、体の感覚に意識を向けるマインドフルネスを実践することができます。
1分でできる体の感覚のマインドフルネス
この練習は、座っていても立っていても、どんな姿勢でも行うことができます。家事の合間や、少し立ち止まった時、電車の中など、場所を選ばずに試すことができます。
- 姿勢を整える(任意) もし可能であれば、軽く背筋を伸ばし、リラックスできる姿勢をとってみましょう。座っている場合は、足の裏を床につけ、手は腿の上に置きます。立っている場合は、足の裏で地面を感じてみます。
- 体の特定の部位に意識を向ける 体のどこか一部位に意識を集中させてみます。例えば、手のひら、足の裏、肩、お腹など、今一番気になる部位でも良いですし、どこでも構いません。
- 感覚をただ「感じる」 意識を向けた部位に、どのような感覚があるか、ただ感じてみます。温かい、冷たい、ピリピリする、ズキズキする、重い、軽い、脈打つ、締め付けられるような感じなど、どんな感覚でも構いません。良い・悪いの判断をせず、ただ観察するように感じてみましょう。
- 思考が浮かんできても大丈夫 体の感覚に意識を向けていても、すぐに他の考え事が頭に浮かんできてしまうかもしれません。それは自然なことです。思考に気づいたら、「あ、考えているな」と認め、自分を責めずに、そっと意識を再び体の感覚に戻しましょう。これを1分間続けます。
- 練習を終える 1分経ったら、ゆっくりと体の感覚から意識を離し、周りの空間に意識を広げていきます。必要であれば、軽く体を動かしたり、伸びをしたりしてみましょう。
1分練習で期待できること
この短い練習でも、いくつかの変化を感じられる可能性があります。
- 体の緊張に気づき、和らげるきっかけになる: 知らず知らずのうちに入っていた体の力みに気づき、少し緩めることができるかもしれません。
- 心のざわつきが落ち着く: 頭の中で忙しく動いていた注意が体の感覚に向かうことで、思考の波から一歩引いて、心のざわつきが少し落ち着くのを感じるかもしれません。
- 「今、ここ」に戻る: 過去の後悔や未来への不安ではなく、今の自分の体の状態に意識を向けることで、「今、ここ」という瞬間に心を落ち着かせることができます。
- 自分自身を労わる時間を持つ: たった1分でも、自分の体と心に意識を向ける時間は、忙しい自分自身を労わる大切な休息になります。
日常の様々なシーンで試してみる
「体の感覚を感じる」マインドフルネスは、いつもの日常のふとした瞬間に取り入れやすい練習です。
- 洗い物をしている時: 手のひらや指先が水やお皿に触れている感覚に意識を向けてみます。
- 電車で立っている時: 足の裏が床や地面に触れている感覚、体に感じる重さやバランスに意識を向けてみます。
- 子どもが隣で遊んでいる時: 座っているお尻が椅子に触れている感覚や、肩の力みに意識を向けてみます。
- 信号待ちの間: 立っている足の裏や、体に当たる風の感覚に意識を向けてみます。
まとめ
忙しい毎日の中で、体の感覚に意識を向けることは、自分自身の状態を知り、心の落ち着きを取り戻すための有効な手段の一つです。たった1分という短い時間でも、継続することで、体と心のつながりを感じ、日常の中で穏やかな時間を見つけやすくなるでしょう。
まずは今日、どこか好きなタイミングで1分間、あなたの体の感覚を感じてみませんか。