耳や耳たぶの感覚を感じる。心が穏やかになる1分マインドフルネス
日常のささやかな感覚に意識を向ける
忙しい日々の中で、私たちはつい目の前のタスクや思考に追われ、自分の心や体の状態に気づきにくくなることがあります。特に子育てや仕事に追われていると、自分のための時間は二の次になりがちです。そんな時、たった1分でもいいので、自分の感覚に意識を向ける時間を持つことが、心の状態を整える助けとなります。
今回は、日常の中で意外と意識しない体の部位、「耳」や「耳たぶ」の感覚に意識を向ける、1分でできる簡単なマインドフルネスをご紹介します。特定の体の部位に意識を集中することで、思考のループから離れ、今この瞬間に立ち戻る練習ができます。
耳や耳たぶの1分マインドフルネスのやり方
この練習は、椅子に座っていても、立っていても、どこでも行うことができます。特別な準備は一切必要ありません。
- 楽な姿勢で立ち、あるいは座ります。目を閉じるか、軽く一点を見つめても構いません。
- 意識をそっと、ご自身の耳、あるいは耳たぶに向けてみてください。
- まずは、耳や耳たぶの全体的な感覚に意識を向けてみます。
- どのような形をしているでしょうか。
- 硬さや柔らかさはどうでしょうか。
- 温度は感じられますか。周りの空気より温かい、冷たいなど、どのような温度でしょうか。
- 何か触れていますか(髪、眼鏡、イヤホンなど)。その触れているものの感触はどうでしょうか。
- もし可能であれば、指先で耳たぶを優しくそっと触れてみても良いでしょう。その時の肌の感触や、指の温度、耳たぶの温度などを感じてみます。
- この耳や耳たぶの感覚に、1分間、注意を集中させてみてください。
- もし、耳の感覚から注意がそれて、他の考えごとや体の他の部分の感覚に気づいたら、それは自然なことです。ただそのことに気づいて、「あ、考え事をしていたな」「他の感覚に気がついたな」と認識し、評価することなく、再びそっと耳や耳たぶの感覚に意識を戻しましょう。
- 1分経ったら、ゆっくりと意識を体全体や周囲に戻し、目を開けてください。
この練習で期待できること
耳や耳たぶのような、普段あまり意識しない体の部位に意図的に注意を向けることは、私たちの注意を「考えること」から「感じること」へとシフトさせる助けになります。
- 心のざわつきを鎮める: 忙しさやストレスからくる心のざわつきやイライラが、特定の感覚への集中によって一時的に静まることがあります。
- 今に立ち戻る: 過去の後悔や未来への不安といった思考から離れ、「今、ここ」にある自分の体の感覚に気づくことで、現実へのグラウンディングが促されます。
- ささやかな休息: たった1分でも、意識を集中することで脳が休息する時間となり、気分転換につながります。
- 感覚への気づき: 日常の中で見過ごしがちな、体や周囲のささやかな感覚に気づく感性が養われます。
どんな時に試してみるか
この耳や耳たぶの1分マインドフルネスは、日常生活の色々な場面で取り入れることができます。
- 家事の合間: 洗濯機を回している間、食事の準備をしているほんの一息。
- 子どもの横で: 子どもが一人遊びに集中している静かな時間。
- 通勤中: 電車やバスの中で、周囲の音を感じながら。
- 休憩時間: 仕事や作業の合間の短い休憩。
- 眠る前: ベッドに入り、一日の終わりに。
「イライラしそうになった時」「なんだか疲れたなと感じた時」「少しだけ頭を休めたい時」など、ご自身の心や体のサインに気づいた時に、この1分マインドフルネスを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
耳や耳たぶの感覚に意識を向ける1分マインドフルネスは、特別な道具も場所も必要なく、忙しい日常の中に手軽に取り入れられる練習法です。たった1分、ご自身のささやかな体の感覚に意識を向ける時間を設けることで、心の平穏を取り戻し、日々の生活に穏やかさをもたらす可能性を秘めています。ぜひ、ご自身のペースで試してみてください。