息を吸って吐くだけ。簡単1分マインドフルネス呼吸法
日々、仕事や家事、子育てにと慌ただしく過ごされていると、ご自身の心の状態に気づく余裕を持つこと自体が難しいかもしれません。やらなければならないことに追われ、先のことを考えたり、過去の出来事を思い出したりする中で、気づけば心がざわついたり、疲れてしまったりすることもあるのではないでしょうか。
しかし、ほんの少しの時間でも、意識的に心を休める時間を持つことは可能です。たとえ1分という短い時間でも、日々の習慣に取り入れることで、心の状態に変化を感じていただけるかもしれません。
ここでは、たった1分あれば、どこでも、特別な準備も不要で実践できる、呼吸に意識を向けるマインドフルネスをご紹介します。
呼吸を感じる1分マインドフルネスとは
この練習は、ただ自分の呼吸に意識を集中させるだけのシンプルな方法です。深い呼吸をしようと努力する必要も、特別な呼吸法を学ぶ必要もありません。ただ、「今、自分は呼吸をしている」という当たり前の事実に意識を向けることから始めます。
1分実践の手順
- 姿勢を整える:
- 椅子に座っていても、立っていても構いません。背筋を自然に伸ばし、肩の力を抜きましょう。もし可能であれば、目を軽く閉じるか、視線を少し下に向けて一点を見つめます。
- 呼吸に意識を向ける:
- 鼻から息が出入りする感覚、胸やお腹が呼吸に合わせて膨らんだりしぼんだりする感覚など、ご自身の呼吸に関わる体の感覚に意識を向けます。
- 「吸っているな」「吐いているな」と心の中で気づくだけでも良いですし、感覚を丁寧に感じ取ろうとしても良いでしょう。
- さまよう思考に気づく:
- 呼吸に意識を向けようとしても、すぐに他のこと(今日の出来事、明日の予定、子どものことなど)が頭に浮かんでくるかもしれません。それは自然なことです。
- 思考が浮かんだら、「あ、考えていたな」と気づき、優しくもう一度呼吸へと意識を戻します。これを繰り返します。
- 1分間続ける:
- タイマーを使うか、心の中でゆっくり60秒を数えるなどして、1分間この練習を続けます。
- もし途中で集中が途切れても、再び呼吸に意識を戻せば大丈夫です。
この練習から得られること
たった1分間でも呼吸に意識を向けることで、以下のような変化が期待できます。
- 「今、ここ」に意識を戻す: 思考や感情に囚われがちな心を、今この瞬間の感覚に引き戻すことができます。これにより、過去の後悔や未来への不安から一時的に解放される可能性があります。
- 心のざわつきを落ち着かせる: 呼吸に集中することで、頭の中のおしゃべりが少し静かになり、心のざわつきが和らぐことがあります。
- 気分転換になる: 短時間でも意識を切り替えることで、気持ちがリフレッシュされ、新たな気持ちで次の行動に移りやすくなります。
- 自分自身に寄り添う時間: 忙しさの中で忘れがちなご自身の存在に意識を向け、大切にする時間を持つことができます。
日常のどんなシーンで実践できるか
この1分間の呼吸のマインドフルネスは、様々な日常のシーンで実践できます。
- 朝起きてベッドから出る前に
- 通勤中の電車やバスの中で
- 仕事の休憩時間や、次のタスクに取りかかる前に
- 家事(洗濯物をたたむ、料理をするなど)の合間や始める前に
- 子どもがお昼寝している間に
- 寝る前にベッドに入ってから
完璧に集中できなくても構いません。「1分、呼吸に意識を向けてみよう」という意図を持つこと、そして実践してみること自体が大切です。
まとめ
忙しい毎日の中で、自分自身の心と向き合う時間を持つことは、心の平穏を保つ上で助けとなります。ご紹介した呼吸を感じる1分マインドフルネスは、その第一歩として、どなたでも気軽に取り入れていただける方法です。
完璧を目指さず、できるときに、できるやり方で構いません。まずは1日1回、たった1分から始めてみてはいかがでしょうか。この小さな習慣が、あなたの毎日に穏やかさをもたらすきっかけとなることを願っております。