部屋の空気に意識を向ける。心が落ち着く1分マインドフルネス
忙しい毎日に、ほんの少しの落ち着きを
子育てに仕事、家事に追われる日々の中で、「自分の時間」はおろか、心が休まる瞬間さえ見つけにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。忙しさの中で心に余裕がなくなり、些細なことでイライラしてしまったり、疲労感から抜け出せなくなったりすることもあるかもしれません。
そんな時でも、「たった1分」あればできる簡単なマインドフルネスの練習法で、心に静けさを取り戻すことができるかもしれません。特別な場所や道具は必要ありません。今、あなたが居る「部屋の空気」に優しく意識を向けてみることから始められます。
部屋の空気に意識を向ける1分練習法
このマインドフルネス練習法は、今いる部屋の「空気」に意識を集中させることで、高ぶった感情や次々と浮かぶ思考から距離を置き、心を落ち着かせることを目指します。
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姿勢を整える 椅子に座っているなら、足の裏をしっかりと床につけ、背筋を自然に伸ばします。立っていても、寝ていても構いません。体が安定する楽な姿勢を見つけてください。
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意識を内側へ ゆっくりと目を閉じるか、あるいは一点をぼんやりと眺めます。外側の刺激から一旦離れ、自分の内側、そして今いる空間へと意識を向け始めます。
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部屋の空気に気づく 次に、自分が今呼吸している、そして体を包み込んでいる「部屋の空気」に意識を向けます。
- 空気の温度はどうでしょうか。温かい、冷たい、心地よい、少し肌寒いなど、感じたままに気づきます。
- 空気の湿度はどうでしょうか。乾燥している、少し湿っぽいなど、肌で感じる感覚に注意を向けます。
- 空気は動いているでしょうか。エアコンや扇風機の風、窓から入る自然な空気の流れなど、肌や髪に触れる微かな動きを感じてみます。
- どんな匂いがしますか?生活の匂い、食べ物の残り香、外からの匂いなど、鼻が捉える香りに気づきます。
- 目を閉じていても、空気の存在感そのものを感じるかもしれません。
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ただ観察する これらの感覚について、「良い」「悪い」といった判断を挟まず、ただ「気づく」という姿勢を大切にします。「空気が少し冷たいな」「何だか湿っぽい感じがするな」と、事実として心に留めるだけです。もし途中で他の考え事が浮かんできても、それは自然なことです。その考えに気づいたら、「あ、今考え事が浮かんできたな」と心の中で認識し、再び優しく部屋の空気へと意識を戻します。
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1分間続ける この「部屋の空気に気づく」という時間を、タイマーなどで1分間測ってみます。もし難しければ、30秒から始めても構いません。
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ゆっくりと終わりへ 1分経ったら、ゆっくりと意識を体の感覚に戻し、準備ができたら静かに目を開けます。
この練習がもたらすもの
たった1分間、部屋の空気に意識を向けるだけのこの練習には、次のような効果が期待できます。
- 心の落ち着きを取り戻す 外の世界や頭の中の考え事から離れて、「今、ここ」に意識を集中することで、心が穏やかになるのを感じられるかもしれません。
- 五感への気づきを高める 普段は気に留めない空気の温度や匂い、動きといった感覚に意識を向けることで、日々の生活の中にある微細な変化や感覚に気づきやすくなります。
- 「今、ここにいる」感覚を育む 過去の後悔や未来の不安にとらわれがちな心を、「今、この瞬間」へと引き戻す助けとなります。
- 感情の波に気づく練習 もし練習中にイライラや不安などの感情が湧いてきても、それに「気づく」練習になります。感情そのものに飲み込まれるのではなく、一歩引いて観察する視点を養えます。
日常のあらゆるシーンで
この「部屋の空気に意識を向ける」マインドフルネスは、あなたが部屋の中にいる限り、いつでも実践できます。
- 家事の合間に、ほんの一息つきたい時
- 仕事部屋で気分転換したい時
- 子どもが一人遊びをしているのを見守る静かな時間
- 寝る前に、一日の疲れを癒したい時
- なんとなく落ち着かない時
「よし、マインドフルネスをしよう」と構える必要はありません。「あ、そういえば部屋の空気ってどんな感じかな?」とふと思い出した時に、1分間、意識を向けてみることから始めてみてください。
まとめ
忙しい毎日の中で、自分自身の心に意識を向ける時間はつい後回しになりがちです。しかし、たった1分間でも、意図的に心に休息を与える時間を持つことは、日々のストレスを和らげ、穏やかな気持ちで過ごすための大切なステップとなります。
部屋の空気に意識を向けるというシンプルな行為が、あなたの心に小さな静寂と落ち着きをもたらすきっかけとなれば幸いです。焦らず、ご自身のペースで、まずは今日から1分間、試してみてはいかがでしょうか。